長野産業保健総合支援センター 長野産業保健総合支援センター

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信州さんぽメルマガ第258号

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信州さんぽメールマガジン
第258号 2026年2月5日発行
長野産業保健総合支援センター
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--- 目 次 ---

◇コラム:矢口敏子産業保健相談員より NEW
【研修会・セミナー】
◇2・3月の研修会のお知らせ NEW
【治療と仕事の両立支援】
◇2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW
【相談支援(労働安全衛生、カウンセリング等)】
◇2・3月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW
【メンタルヘルス対策支援について】
【お知らせ】
◇関係機関情報(行政ニュース)
◇新着情報 
◇センターから
◇おしらせ  
【編集後記】

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◇コラム:矢口敏子 産業保健相談員(カウンセリング)より NEW 

メンタルヘルス不調者の「治療と就労の両立支援」

1.すべての事業主の努力義務となります
 労働者確保対策として、2016年2月に示された「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が、労働施策総合推進法の改正により、指針に格上げされ2026年4月から、治療と仕事の両立のために必要な措置を講じることが、すべての事業主の努力義務となります。
 これにより、同指針に基づき、行政による必要な指導や援助が行われることになります。

2.メンタルヘルス対策の重要性
 遠藤源樹先生による大企業への病休実態調査では、新規病休者数の疾患別上位3位は、
  1位:メンタルヘルス不調
  2位:がん
  3位:脳血管障害
となっています。
 労働者のメンタルヘルス不調は、生産性の低下、病気休業の発生、人員補充による労働コストの増加、長期休業による医療費の増大など、企業活動全体に多大な影響を及ぼすことは既に承知のところです。特に2000年以降、うつ病などのメンタルヘルス不調による休業件数や労働災害の認定件数は急増しており、企業規模や業種を問わず、産業保健上の重要課題の一つとして認識されています。

3.メンタルヘルス不調の特徴
 精神医学の先行研究によると、うつ病をはじめとしたメンタルヘルス不調は、再発率が高い疾患であるとされています。
 2004年10月には、厚生労働省より事業者向けマニュアル「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が示され、さらに2006年3月には、職場のメンタルヘルスの三次予防(職場復帰・再発防止)の指針として「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が策定されるなど、メンタルヘルス不調者の職場復帰支援への関心は一貫して高まり続けています。
 労働政策研究・研修機構の調査によると、メンタルヘルス不調が生じる原因について企業に尋ねたところ(複数回答)、最も多い回答は「本人の性格」であり、次いで「職場の人間関係」「仕事量・負荷の増加」「仕事の責任の増大」「家庭の問題」…「上司と部下のコミュニケーション不足」と続いています。
 つまり、メンタルヘルス不調の原因を、依然として本人の性格に帰属させて捉える企業が多いことがうかがえます。
 この点について、私は性格の問題と受け取られがちな不調社員の中に、ASD(自閉スペクトラム症:社会性やコミュニケーションの難しさ、興味・関心の偏り[イマジネーションの難しさ]、感覚刺激への過敏さまたは鈍感さ、不器用さ等)の傾向の特性を持ち、職場環境になじみにくい方が一定数存在しているように感じます。そのような方は、仕事は出来るのです。意欲も能力もある方で残念です。
 このような場合は、上司と部下の信頼関係を築いたうえで、主治医の意見を踏まえて、
  ・指示は口頭ではなく書面で伝える
  ・業務フローやチェックシートを作成する
  ・早すぎる報連相を求め過ぎない
などの工夫することで、作業内容や作業環境を改善でき不調を防ぐことが可能であると考えます。
 また、休職者の職場復帰に際して問題となった点についての調査(複数回答)では、最も多かったのが
  「どの程度仕事ができるのかわからなかった」
次いで
  「本人の状態について正確な医学的情報が得られなかった」
  「本人に合う適切な業務がなかった」
などが挙げられています。

 このことから、メンタルヘルス不調者の復帰時に、短時間勤務や軽作業への変更など、どのような職業上の配慮を行うべきか判断に迷うケースが少なくないと考えられます。この点について、メンタルヘルス不調は、不調の原因が明確でないことが多い点で、がんや脳卒中などの内科疾患とは大きく異なります。心の健康を客観的に測定する方法が十分に確立されていないため、本人からの心身の状態に関する申告情報を基に診断せざるを得ないという特徴があります。

 うつ病は、心身の両面に症状が現れる疾患であり、主な治療法は、休養、薬物療法、精神療法です。予後については、適切な治療と十分な休養により基本的には回復しますが、再燃・再発しやすい疾患です。治療開始後3~6か月で約3分の1、1年以内に約7割が回復するとされています。
 一方で、寛解(症状がほぼ消失した状態)後4~9か月間は、些細なストレスによって症状が再燃しやすい時期があります。初発のうつ病患者のうち約50~60%が再発し、2回再発した人が3回目を再発する確率は約90%とされています。

4.メンタルヘルス不調者の職場復帰
 メンタルヘルス不調者の復職判定については、判断に悩むケースが少なくありません。特にトラブルになりやすいのは、休職期間満了直前に、主治医から「就労可能」「復職可能」と記載された診断書が提出された場合です。

 このような復職判定が困難な事例に対しては、臨時でもよいので復職判定委員会を設置・開催し、組織として復職可否を判断することが有益です。委員会の構成員は、当該社員の直属の上司、産業医、人事担当責任者などとし、当該社員本人は出席させず、審議内容は非公開とします。判定は「復職を認める」または「復職不可」のいずれかとします。この際、企業の顧問弁護士に必ず相談し、休職期間満了後の対応も含め、法的観点からの助言を得たうえで判断することが重要です。

 メンタルヘルス不調は再休職率が高く、報道等によれば、復職後1年以内に28.3%、5年以内に47.1%が再休職しており、約2人に1人が再発しているとされています。特に復職後1年以内が再休職のリスクが高く、時間の経過とともにそのリスクは低下します。
 このことから、ゴールは「復職」ではなく、「復職後5年以上、たとえ細々とでも就労を継続できること」に置くべきであると考えられます。そして、そのために、復職時に発症前を100%とすると、80%程度回復していることを目安とすることが望ましいといえます。

 メンタルヘルス不調による休職の場合、本当の意味での回復には5年程度を要すると考え、復職後は、
  ・復職日から2~4週間の短時間勤務
  ・復職後6か月程度の業務内容・業務量への配慮
  ・復職後2年間の産業医による継続的フォロー
を行うことが望ましいと考えられます。

 最後に、治療と就労の両立支援は、当該社員管理者、産業医、主治医、人事関係者が連携して進めることが大前提です。
 主治医からの意見聴取方法などについては、産業保健センターのホームページに多くの情報が掲載されており、電話相談も受け付けていますので、積極的に活用してください。
 また、本原稿の作成にあたって、労働行政出版遠藤源樹著『治療と就労の両立支援ガイダンス ― 疾患別に見た就労支援の実務』を参考にさせていただきました。とてもわかりやすく、実務に即した内容ですので、参考にされることをお勧めいたします。
 人材難の今だからこそ「両立支援」で大切な従業員を失わないようにすることが求められていると思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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【研修会・セミナー】
◇2・3月の研修会のお知らせ NEW
 自然災害その他やむを得ない理由により、研修会を中止または延期とさせていただく場合がございますのであらかじめご承知おきください。その際、申込者には電話・メール等でご連絡させていただきます。
 2・3月の研修会は次のとおりです(参加費無料)。ホームページからお申し込みください。
 → https://www.naganos.johas.go.jp/event-and-seminar/

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≪特別企画研修会(ハイブリッド研修会)(集合研修会+WEB研修会)≫

★「 自殺に至るプロセス 」~ 心理過程の階層的発達 ~
令和08年03月12日(木) 14:00~16:00
川中島Fメンタルクリニック院長  福家 知則 氏
☆集合研修 長野会場(鈴正ビル 2階研修室)
 → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/nagano-suzuki-2f/
☆WEB研修 オンライン研修( Zoom Webinars )
 → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-webinar/

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≪長野会場(鈴正ビル 2階研修室)≫
 → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/nagano-suzuki-2f/

★「 メンタルヘルス対策 セルフケア 」~ 【食事編】腸内環境を良くして心地よく暮らす ~
令和08年03月03日(火) 13:30~15:00
ストレスケアけや木  矢口 敏子 氏

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≪オンライン研修( Zoom Webinars )≫
 → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-webinar/
 ※一方向からの配信となります。参加者の顔は映りません。

★「 2回シリーズ 『 病院と職場の連携 』 考えよう 」第2回 「 乳がん患者さんの支援を例に… 」
令和08年02月17日(火) 13:30~15:30
新潟県立看護大学 講師・がん看護専門看護師  横川 史穂子 氏

★「 転倒災害・腰痛災害を起こさないために! 」~ どうする転倒 どうする腰痛 ~
令和08年02月19日(木) 13:30~15:30
安全衛生オフィスIMAI 所長  今井 千一 氏

★「 食事の基本について 」~ バランスよく食事をして生活習慣病を予防し、健康長寿をめざす ~
令和08年02月26日(木) 13:30~15:30
公益社団法人 長野県栄養士会 会長  馬島 園子 氏

★「 相談業務担当者のリスクマネジメント 」~ 相談業務でのトラブルやストレスを避けるために気をつけたいこと ~
令和08年03月04日(水) 13:30~15:00
オフィス カコマ 代表  御子柴 由紀子 氏

★「 健康診断・ストレスチェックの分析と提示 」~ 経営者、管理者、従業員に理解できる分析結果の提示 ~
令和08年03月05日(木) 13:00~14:30
信州大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授  野見山 哲生 氏

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≪動画配信≫
 → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/video/

★「 職場のメンタルヘルス基礎研修 」第3講 セルフケア
令和08年02月24日(火) 9:00~16:00
社会医療法人抱生会丸の内病院 精神科科長  武藤 隆 氏

★【録画配信(期間:02月26日~03月04日)】〈令和7年8月25日開催〉産業保健スタッフの役割と連携~1. 産業医以外の職種と産業医との役割と連携 2. 産業医や主治医をどう有効に産業保健の場で活かすか~
令和08年02月26日(木)10:00 ~ 令和08年03月04日(水)16:00
信州大学医学部 衛生学公衆衛生学教室 教授  野見山 哲生 氏

★「 職場のメンタルヘルス基礎研修 」第4講 メンタル不調の基礎的な理解
令和08年03月10日(火) 9:00~16:00
社会医療法人抱生会丸の内病院 精神科科長  武藤 隆 氏

★【録画配信(期間:03月10日~03月16日)】〈令和7年12月4日開催〉メンタルヘルス不全者の復職 ~ 再発しない復職 ~
令和08年03月10日(火)10:00 ~ 令和08年03月16日(月)16:00
信州大学医学部 衛生学公衆衛生学教室 教授  野見山 哲生 氏

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【治療と仕事の両立支援】
◇2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW
 → https://www.naganos.johas.go.jp/information/ryouritu202602/
★「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について
 → https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx

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【相談支援(労働安全衛生、化学物質対策、カウンセリング等】
◇2・3月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW
 → https://www.naganos.johas.go.jp/information/soudann202602/

【メンタルヘルス対策支援】
★メンタルヘルス対策支援について
 当センターでは、これからメンタルヘルス対策の体制を整えていきたいと検討されている事業場向けに直接事業場にお伺いして導入支援を行っています。
 「何から手を付けていいのか」「他社はどのように進めているのか」などの情報提供から、その事業場に合った体制づくり等のアドバイスを無料で行っていますのでご活用ください。
 お申込みはこちら⇒https://www.naganos.johas.go.jp/f/mfm

★また、当ホームページには「メンタルヘルス対策 チェックポイント」を掲載していますので、事業場内の体制等を振り返っていただく際の参考にしてみてください。
 詳しくはこちら⇒https://www.naganos.johas.go.jp/%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%ab%e3%83%98%e3%83%ab%e3%82%b9%e5%af%be%e7%ad%96%e6%94%af%e6%8f%b4/

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【お知らせ】
◇関係機関情報(行政ニュース) 
 産業保健だけに限らず、様々な参考となる行政ニュースを出来る限り、更新していますので参考にしてください。
 → https://www.naganos.johas.go.jp/administration-news/
◇新着情報 
 皆様にお役に立てる新着情報を、更新していますので参考にしてください。
 → https://www.naganos.johas.go.jp/information/
◇センターから
  情報誌『産業保健21』をお届けします。お申込みは下記のURLからお願いします。
 → https://www.naganos.johas.go.jp/bcms/wp-content/uploads/2019/05/mail-magazine.pdf
◇おしらせ
 社内研修会等に使用する資料をお探しの方は、長野産業保健総合支援センターにご連絡ください。
 また、各種産業保健にかかるリーフレットもありますので、問い合わせしてください。

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【編集後記】
 新年に入ってから、周囲ではインフルエンザ感染の話題もチラホラ聞かれておりましたが、マスクや手洗い等の励行が社会的にすっかり習慣化・当たり前になってしまった効果なのか、感染が拡大しているような実感はありません(あくまで、この原稿を書いている時点でですが)。また、2月は年度末が間近という時期に加えて、暦の日数も少なく、さらには解散総選挙もあって、何ともバタバタと落ち着かない慌ただしい日々が続いています。本当に、あっという間に終わってしまいそうです。
 暦の上では立春。春はすぐそこ。慌ただしいからこそ、心にゆとりを持って、心身ともに健康に過ごしていきたいものです。体調管理を万全にして、新年度に向けた準備を整えてまいりましょう。

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★メールマガジンは月1回発行しています。
★編集内容に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
★メールアドレスの変更、配信停止の手続きはE-mailまたは当センターあてにお願いします。
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┃発 行 者
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┃独立行政法人労働者健康安全機構
┃長野産業保健総合支援センター
┃〒380-0935
┃長野市中御所1-16-11 鈴正ビル2階
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