━━━━━━━━━━━━━━ 信州さんぽメールマガジン 第252号 2025年9月3日発行 長野産業保健総合支援センター ━━━━━━━━━━━━━━ --- 目 次 --- ◇コラム:伊藤かおる産業保健相談員より NEW 【研修会・セミナー】 ◇9月の研修会のお知らせ NEW 【治療と仕事の両立支援】 ◇9月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW 【相談支援(労働安全衛生、カウンセリング等)】 ◇9・10月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW 【お知らせ】 ◇関係機関情報(行政ニュース) ◇新着情報 ◇センターから ◇おしらせ 【編集後記】 ------------ ◇コラム:伊藤かおる 産業保健相談員(カウンセリング担当)より NEW アテンション・エコノミーという言葉をご存じでしょうか。関心経済、注目経済圏とも言われますが、情報の質よりも人々の関心や注目を集めた方が経済的利益が大きいことを指摘した経済学の概念です。 情報が氾濫する社会において、人の「アテンション(注意・関心)」が希少な資源となり、それが経済的価値を持つようになった経済モデルのことです。人々が限られた時間の中で注目すべき情報を選ぶ必要があり、企業やコンテンツ制作者は、より多くの「アテンション」を集めることで広告収入を得たり、ブランドの認知度を高めたりする戦略をとり、SNSなどのプラットフォームはそのためのアルゴリズムを提供して収益を上げています。企業や個人は限られたユーザーの注意を獲得しようと競争しており、サイトの閲覧時間や動画の再生数、「いいね」数などが注目度を測る指標となっています。注目の獲得は収益や影響力に直結するため、この競争はますます激化しています。 マーケティングで顧客の進化、あるいは顧客育成といったプロセスがあります。顧客との関係を無名客→知名客→来店客→購入経験客→リピーター(得意客)→ファン(支持者)→代弁者→パートナーといった段階で考え、どのように次のステップに育成するか戦略を立てることです。 例えば購入経験客をリピーターにする方法の1つはポイント戦略です。ポイントは複数回利用しないとたまらないし、利用できないので幾度もそのサイトを利用するほどお得です。またリピーターをファンに育成するときは囲い込みをかけます。クラスが上のカードを勧め、上得意客としての待遇を約束してゆきます。いま生活にしみこんでいるポイ活やスマホでの決済は、顧客を自社の仕組みに取り込んでゆく企業のマーケティング戦略の1つです。 アテンション(注意・関心)の獲得は、自分たちを知らない人に知ってもらう段階での戦略でもあります。まず関心を引き見てもらう、さらに広告と連動することで見込み客を購入経験へと誘導する。無関心層を引き込む戦略です。例えば最近の選挙においては、注目・関心を得ることが戦略上必須であることからネット上での公報が激化しています。推し活されている方のお話を聞いていると、ファンから代弁者にそしてパートナーにといった、相手との一体感が変化してゆく様子を伺うこともあります。 このように生活の各場面で自分が選んでいるようで知らぬ間に注意を向けさせられる仕掛けがあふれ、わたしたちの時間や体を奪っています。あたかも自分で選んでそのサイトを見ているようでも、巧妙に誘導され、ネット上に留め置かれ、注意・関心を向け続けさせられていることがあるかもしれません。たまに立ち止まり、自分はなぜこれを見ているのか考えていただければと思います。 心理的アプローチの第1世代は行動へのアプローチ、第2世代は認知へのアプローチ、そして第3世代のアプローチは注意へのアプローチと言われています。うつ病の再発予防や、ストレス低減の技法としてマインドフルネスがまた最近話題となっていますが、それはこの手法がまさに注意集中、あるいは、自分が主体的に注意を向け、自分がその瞬間の自分の意識や行動、感情を選択することを練習するものだからです。 マインドフルネスの定義は、今この瞬間に、評価や判断を下すことなく、能動的に注意を向けることによって生じる意識と言われます。知らない間に注意を奪われ、自分の関心を操作され、選択や決断を瞬間的な反応としてクリックや画面のタップに誘導されかかっているならば、今この瞬間に立ち止まり、少し自分の身体を観察し、深呼吸して自分がどこにいるのか意識してみませんか。 そして改めて、再度画面を見るかどうか選択してみましょう。ネットを見ていた自分に対し、「また見ていた」「えーこんなに時間がたってる」など評価や判断を下す必要はありません。 今この瞬間にの自分に、評価や判断を下すことなく、能動的に呼吸や身体に注意を向け、自分の人生を他人に操作され、奪われるものとしてではなく、深く味わっていただきたいなと思っています。 ------------ 【研修会・セミナー】 ◇9月の研修会のお知らせ NEW 新型コロナの感染状況によっては、感染防止の為に集合研修等が中止になる場合があります。 中止の場合は、申込者にお知らせするとともに、当センターのホームぺージにもお知らせを載せますので、ご注意をお願いします。 ************************************************************************************************************************** 【日医認定産業医研修についてのご案内(産業医の方へ)】 令和7年度下半期の産業保健研修会において、日医認定産業医研修を計画しています(9月中旬頃に当センターホームページに掲載予定)。 つきましては、以下についてご留意くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 ★令和7年4月以降、単位証明シールの配布は行わず、MAMIS(医師会会員情報システム)を用いて単位付与が行われることとなりました。 つきましては、必ず、MAMISのマイページへの登録を完了してから研修会にお申込みください。 登録が完了していない状態でご受講された場合、単位付与に影響を及ぼす可能性があるためご注意ください。 ★研修会の遅刻・早退・中抜けされた場合、単位が付与されない場合がございますので、予めご承知おきください。 ★MAMISにつきましては、以下のURLよりご確認ください(当センターにお問い合わせいただいてもお答えいたしかねます)。 https://www.sangyo-doctors.gr.jp/Notice/Details/9033 〔全国医師会産業医部会連絡協議会ホームページ〕 ************************************************************************************************************************** 9月の研修会は次のとおりです(参加費無料)。ホームページからお申し込みください。 → https://www.naganos.johas.go.jp/event-and-seminar/ ------------ ≪長野会場(鈴正ビル 2階研修室)≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/nagano-suzuki-2f/ ★「 「心理的安全性」を育むためのコミュニケーション 」~ アサーティブなやり取りをするために必要な自分の感情のケア ~ 令和07年09月25日(木) 13:30~15:30 株式会社 Dream Seed 代表取締役 三井 洋子 氏 ------------ ≪オンライン研修( Zoom Webinars )≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-webinar/ ※一方向からの配信となります。参加者の顔は映りません。 ★「 転倒災害・腰痛災害を起こさないために! 」~ どうする転倒 どうする腰痛 ~ 令和07年09月18日(木) 13:30~15:30 安全衛生オフィスIMAI 所長 今井 千一 氏 ----------- ≪オンライン研修( Zoom Meetings )≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-meetings/ ※双方向のやり取りを行うため、カメラをオンにしていただき受講いただきます。 ★「 産業保健職が知っておくべき法令、判例 」 令和07年09月12日(金) 13:30~15:30 株式会社Smart OHW 医師 増田 将史 氏 ------------ ≪動画配信≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/video/ ★「 職場のメンタルヘルス基礎研修 」 第3講 セルフケア 配信日時 令和07年09月10日(水) 9:00~16:00 社会医療法人抱生会丸の内病院 精神科科長 武藤 隆 氏 ※動画の時間は約1時間です。 ★「 職場のメンタルヘルス基礎研修 」 第4講 メンタル不調の基礎的な理解 配信日時 令和07年09月17日(水) 9:00~16:00 社会医療法人抱生会丸の内病院 精神科科長 武藤 隆 氏 ※動画の時間は約80分です。 ------------ 【治療と仕事の両立支援】 ◇9月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW → https://www.naganos.johas.go.jp/information/ryouritu202509/ ★「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について → https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx ------------ 【相談支援(労働安全衛生、化学物質対策、カウンセリング等】 ◇9・10月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW → https://www.naganos.johas.go.jp/information/soudann202509/ ------------ 【お知らせ】 ◇関係機関情報(行政ニュース) 産業保健だけに限らず、様々な参考となる行政ニュースを出来る限り、更新していますので参考にしてください。 → https://www.naganos.johas.go.jp/administration-news/ ◇新着情報 皆様にお役に立てる新着情報を、更新していますので参考にしてください。 → https://www.naganos.johas.go.jp/information/ ◇センターから 情報誌『産業保健21』をお届けします。お申込みは下記のURLからお願いします。 → https://www.naganos.johas.go.jp/bcms/wp-content/uploads/2019/05/mail-magazine.pdf ◇おしらせ 社内研修会等に使用する資料をお探しの方は、長野産業保健総合支援センターにご連絡ください。 また、各種産業保健にかかるリーフレットもありますので、問い合わせしてください。 ------------ 【編集後記】 今年の夏は「史上最も暑い夏」。そんな表現も飛び交うほどの、連日の猛暑の中、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 今夏は、全国でクマの出没が相次いだことも大きな話題となりました。猛暑により山のエサがなくなり、腹をすかせたクマが街に降りてきている。野山の植物の生育や生態系にまで影響を及ぼすほどの猛暑は、少なくとも私はこれまでに経験したことがありません。 外の気温計が「29度」「30度」を示していると、体感として「涼しい」と感じ、男性が日傘を使用している姿もすっかり見慣れた光景となりました。 これまでの経験則上、私たちが当たり前だと感じていたことが、そうは感じなくなりつつあります。 そうすると、9月の時候の挨拶、秋の訪れを、今後、私たちは一体どう表現していけばよいのでしょうか? 「暑い」という文字を使うことなく、しかも皆様との間で「そうだ」と共感できるような「季節の変わり目」を、少しでも早く皆さまと共有したいものです。 ------------ ★メールマガジンは月1回発行しています。 ★編集内容に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。 ★メールアドレスの変更、配信停止の手続きはE-mailまたは当センターあてにお願いします。 ┏━━━ ┃発 行 者 ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃独立行政法人労働者健康安全機構 ┃長野産業保健総合支援センター ┃〒380-0935 ┃長野市中御所1-16-11 鈴正ビル2階 ┗━━━






