━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 信州さんぽメールマガジン 第244号 2025年2月5日発行 長野産業保健総合支援センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ --- 目 次 --- ◇コラム:伊藤かおる産業保健相談員より NEW 【研修会・セミナー】 ◇2月・3月の研修会のお知らせ NEW 【治療と仕事の両立支援】 ◇2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW 【相談支援(労働安全衛生、カウンセリング等)】 ◇2・3月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW 【お知らせ】 ◇関係機関情報(行政ニュース) ◇新着情報 ◇センターから ◇おしらせ 【編集後記】 ------------ ◇コラム:伊藤かおる産業保健相談員(カウンセリング担当)より NEW 地域によっては大雪、あるいは雨がふらず乾燥した2月を迎えるといった地域差の大きい今年の冬ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。今回は、本年対応がより進むと思われるカスタマーハラスメント(以降カスハラ)について考えてみたいと思います。 昨年度はカスハラについて具体的な対策がいくつも出された年でした。令和6年12月に制定された「東京都カスタマーハラスメント防止条例」は令和7年4月に施行されます。また昨年6月にはANAグループとJALグループが共同で「カスタマーハラスメントに関する方針」を策定。航空業界全体でカスハラへの対応力を目指す宣言を出し、両社による共同記者会見も話題になりました。 それまでのUAゼンセン等の調査も踏まえ、令和4年2月厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成し公表、令和5年9月1日に改正された心理的負荷による精神障害の労災認定基準では「顧客や取引先からの著しい迷惑行為」(いわゆるカスハラ)が追加されました。これらの動きによりカスハラは他のハラスメントと同様、社員の心身の健康や働く環境を守るためにも会社として取り組むべき重要な課題となっています。 令和6年3月に発表された厚生労働省「令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査」では、パワハラ、セクハラ等は相談件数が減少傾向であるのに対し、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」という結果も出されています。 厚労省のカスハラの定義では 1) 顧客の要求内容に妥当性はあるか 2) 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当か を確認し、その上で下記の項目をカスハラとして取扱うとしています。 1) の例として ・企業の提供する商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合 ・要求の内容が、企業の提供する商品・サービスの内容とは関係がない場合 2) の例として(要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの) ・身体的な攻撃(暴行・傷害) ・精神的な攻撃(脅迫・中傷・名誉棄損・侮辱・暴言) ・威圧的な言動 ・土下座の要求 ・継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動 ・拘束的な行動(不退去、居座り、監禁) ・差別的な言動 ・性的な言動 ・従業員個人への攻撃、要求 (要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの) ・商品交換の要求 ・金銭保証の要求 ・謝罪の要求(土下座を除く) では、企業はどんな準備をしてゆけばよいのでしょうか。 ANAグループが対策を始めた時、まず誰が担当するのか、担当課を再検討しました。次にその部署を中心にどのくらいの事象がどの程度発生しているのか、発生時に適切な対応ができているのかという実態把握を2023年に始めました。 UAゼンセンの調査でも、業種によってカスハラの傾向が違うことが報告されていますので、厚労省の指針に沿った組織の再検討を進めるだけでなく、自社あるいは業界での具体的な対応を検討するうえでも、現状把握は重要かと思います。 そして組織で進めるポイントとして、1)お客様との対応な関係を築く 2)ハラスメントを許さないことを明確にする 3)対応マニュアルを作るなど典型的な事案への対応を明確にし、対応をあらかじめ決めて従業員教育を実施する 4)正当なクレームとハラスメントを区別できる仕組みを作る なども重要と言われています。 皆さんの職場でも今年の取り組みの一つになるかもしれません。顧客との関係をより大切にしながら、お互いに尊厳をもって働きやすい環境をともに作ってゆける年になるといいなと思っております。 参考サイト UAゼンセン カスタマーハラスメント対策資料集 https://uazensen.jp/hara-taisaku-page/ 厚生労働省 カスタマーハラスメント対策マニュアル等 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24067.html 東京都 カスタマーハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン) https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/12/25/10.html JALグループ、ANAグループによる共同指針 https://press.jal.co.jp/ja/release/202406/008157.html ------------ 【研修会・セミナー】 ◇2・3月の研修会のお知らせ NEW 新型コロナの感染状況によっては、感染防止の為に集合研修等が中止になる場合があります。 中止の場合は、申込者にお知らせするとともに、当センターのホームぺージにもお知らせを載せますので、ご注意をお願いします。 2・3月の研修会は次のとおりです(参加費無料)。ホームページからお申し込みください。 なお、下記以外の記載のない研修会については、現在(満員)となっております。 → https://www.naganos.johas.go.jp/event-and-seminar/ ------------ ≪上田会場(上田商工会議所 5階 ホール)≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/ueda-sk/ ★「 働く人に必要なアサーティブ・コミュニケーション 」~ 自分の考えや気持ちを率直に正直に伝えてみること ~ 令和07年02月18日(火) 13:30~16:30 オフィス・キャリアサポート 代表 古越 真佐子 氏 ★「 「労働安全衛生法の新たな化学物質規制」の実践 」~ 令和6年4月全面施行 「事業者による自律的管理」に何が必要か ~ 令和07年02月20日(木) 13:00~17:00 小林労働安全衛生コンサルタント事務所 所長 小林 喜八郎 氏 荻原労働衛生コンサルタント事務所 所長 荻原 幸男 氏 ------------ ≪松本会場(JA中信会館 4階401会議室)≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/matsumoto-ja-4f-401/ ★「 職域の転倒災害 」~ その原因と対策のポイント ~ 令和07年03月03日(月) 13:30~15:00 信州大学医学部衛生学公衆衛生学教室 助教 長谷川 航平 氏 ★「 職場の困った事例から考えるメンタルヘルス対策 」~ 適切な対処と発生させないための産業保健スタッフの取り組み ~ 令和07年03月05日(水) 13:30~16:00 オフィス カコマ 代表 御子柴 由紀子 氏 ------------ ≪オンライン研修( Zoom Webinars )≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-webinar/ ※一方向からの配信となります。参加者の顔は映りません。 ★「 働く女性のための食生活について 」 令和07年03月06日(木) 13:30~15:00 東京労災病院 治療就労両立支援センター 管理栄養士 平澤 芳恵 氏 ------------ ≪オンライン研修( Zoom Meetings )≫ → https://www.naganos.johas.go.jp/seminar-place/web-zoom-meetings/ ※双方向のやり取りを行うため、カメラをオンにしていただき受講いただきます。 ★「 たばこをやめましょうと言わなくてもいい禁煙支援 」 令和07年02月28日(金) 13:30~15:00 東京労災病院 治療就労両立支援センター 保健師 上田 恵 氏 ------------ ≪特別企画研修( Zoom Webinars )≫ ★令和7年2月14日(金)15:00~17:00 演題「自殺(現場)に遭遇した事業場の事後対応」 信州大学医学部精神医学教室教授 鷲塚 伸介 先生 2月7日(金)までにお申し込みください。 https://www.naganos.johas.go.jp/event-and-seminar/r7f-spot/ ------------ ≪(一社)長野県労働基準協会連合会との共催(Zoom Webinars)≫ ★令和7年3月13日(木)13:30~15:30 衛生管理研究会 「化学物質の自律的管理」~”決まりだからやる”から、”危険だから、危険をよく見極めてやる”への意識改革~ 労働安全・衛生コンサルタント(オフィス・ミチヒロ代表) ミドリ安全(株)シニアテクニカルアドバイザー 田中 通洋 氏 ※その他に行政からの説明等があります。 https://www.naganos.johas.go.jp/event-and-seminar/eiseikanri52kai/ ------------ 【治療と仕事の両立支援】 ◇2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW → https://www.naganos.johas.go.jp/information/ryouritu202502/ ★「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について → https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx ------------ 【相談支援(労働安全衛生、化学物質対策、カウンセリング等】 ◇2・3月の産業保健相談員による相談窓口の開設日 NEW → https://www.naganos.johas.go.jp/information/soudann202502/ ------------ 【お知らせ】 ◇関係機関情報(行政ニュース) 産業保健だけに限らず、様々な参考となる行政ニュースを出来る限り、更新していますので参考にしてください。 → https://www.naganos.johas.go.jp/administration-news/ ◇新着情報 皆様にお役に立てる新着情報を、更新していますので参考にしてください。 → https://www.naganos.johas.go.jp/information/ ◇センターから 情報誌『産業保健21』をお届けします。お申込みは下記のURLからお願いします。 → https://www.naganos.johas.go.jp/bcms/wp-content/uploads/2019/05/mail-magazine.pdf ◇おしらせ 社内研修会等に使用する資料をお探しの方は、長野産業保健総合支援センターにご連絡ください。 また、各種産業保健にかかるリーフレットもありますので、問い合わせしてください。 ------------ 【編集後記】 新年に入ってからも日々の気温の変化が大きく、また、インフルエンザが流行しており、体調の管理に気をつかわなければならない日々が続いています。 2月は暦の日数が少ないにもかかわらず、年度末の締めの仕事と新しい年度の計画を策定する仕事とがあり、仕事に振り回されている方も多いかと思います。 私は、そういうときこそ平常心でいられるよう、心にゆとりを持って仕事をすることを心がけています。「急がば回れ」ということわざがありますが、仕事にも私生活にも、慌てず、こころにゆとりを持つことが大切だと思います。 2月をゆとりを持って乗り越えて、余裕一杯の3月を迎えたいと思っています。 ------------ ★メールマガジンは月1回発行しています。 ★編集内容に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。 ★メールアドレスの変更、配信停止の手続きはE-mailまたは当センターあてにお願いします。 ┏━━━ ┃発 行 者 ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃独立行政法人労働者健康安全機構 ┃長野産業保健総合支援センター ┃〒380-0935 ┃長野市中御所1-16-11 鈴正ビル2階 ┗━━━
