★ΘΘΘΘΘΘΘΘ 信州さんぽメールマガジン ΘΘΘΘΘΘΘΘ★
◆ 第5号 2008年5月7日発行
◆ 発行者:独立行政法人労働者健康福祉機構
長野産業保健推進センター
〒380-0936
長野市岡田町215-1
日本生命長野ビル3階
TEL:026-225-8533 / Fax:026-225-8535
URL http://www.nagano-sanpo.jp
E-mail sanpo20@mse.biglobe.ne.jp
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————————– 目 次 —————————
◆ 関係機関の動き
◆ 5月・6月の研修会案内
◆ 他の機関等が開催する研修会等のお知らせ
◆ センターからのお知らせ
◆ その他
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■ 関係機関の動き
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● 日本医師会産業保健委員会の答申
平成20年3月、日本医師会の産業保健委員会(委員長 高田勗労働者
健康福祉機構医監・北里大名誉教授)は、日本医師会産業保健委員会
答申をとりまとめました。
この答申では、地域産業保健センターに対して実施したアンケート調査
を踏まえ、コーデイネーターへの謝金の充実を目的とした予算の増額、産
業医と監督署の連携強化、産業医と地域のメンタルヘルス専門家とのネ
ットワークづくり、産業医と主治医との間での情報交換の推進(就業に関
する主治医意見書の様式例)などが提言されています。
さらに、産業医認定のため、平成11年に制定された現行の産業医学研
修カリキュラムが9年ぶりに見直され、巻末資料として掲載されています。
過重労働対策やメンタルヘルス対策など産業医を取り巻く環境に対応す
るものとされています。
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カリキュラムの構成
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A 基礎研修カリキュラム B 生涯研修カリキュラム
1 前期研修(生涯研修と合同開催は不可) 1 更新研修
2 実地研修(生涯研修の実地研修と合同開催で可) 2 実地研修
3 前期研修 3 専門研修
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(注)基礎研修における実地研修と、生涯研修における実地研修のカリキ
ュラムは同一です。
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(参考) 実地研修の適切なテーマとして例示されているもの
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(1) 健康管理 (4) 健康保持増進
・ 健康診断結果の判定と事後措置 ・ THPに基づく健康測定
・ 健康診断・面接指導の結果に基 ・ 最大酸素摂取量の測定法
づく事業者との連携 ・ 栄養指導の実際
・ 過重労働・メンタルヘルス対策 ・ 保健指導の実際
における面接指導の実際 (5) 救急措置
(2) じん肺の胸部エックス線検査 ・ 産業医における救急処置
・ じん肺胸部エックス線フイルム ・ 職場におけるAEDの導入と
の読影 活用
・ じん肺管理区分の判定 (6) 作業環境管理・作業管理
・ 石綿関連疾患の画像診断 ・ 〇〇職場における作業環境
(3) メンタルヘルス対策 の測定
・ メンタルヘルス不調の労働者の ・ 〇〇職場の作業環境の改善
事例検討 (7) 職場巡視と討論
・ 職場における疲労の評価と対策 ・ 産業医による職場巡視の
・ 職場復帰支援システムの事例検討 実際
・ 〇〇職場の職場巡視
・ 職場巡視の結果報告の作成
・ 職場巡視を通じた危険有害
要因の同定
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● 図書・ビデオ・DVD新着情報
図書・ビデオ・DVDを購入しました。詳しくはホームページをご覧下さい。
→ http://www.nagano-sanpo.jp/
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■ 5月の研修会案内
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日 時 テーマ ・ 講師
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5月13日(火)
13:30~ 管理監督者のコミュニケーションスキルアップ
15:30 伊藤 かおる(カウンセリング担当)
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5月15日(木)
13:30~ 多様化する雇用形態と健康管理~派遣労働者・
15:30 パートタイム労働者を中心に~
倉沢 和成(産業医学担当)
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5月22日(木)
13:30~ 産業カウンセリング基礎講座~傾聴法の実際~
16:30 笠井 昇(カウンセリング担当)
*会 場 松本(ホテルモンターニュ松本)
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● 6月の研修会案内
○6月 2日(月)13:30~15:30
「特定健康診査・特定保健指導と職場の健康管理」
矼 暎雄(長野産業保健推進センター所長)
*会 場 松本(ホテルモンターニュ松本)
○6月 6日(金)13:30~15:30
「皆様のご希望を確認して決定」
野見山 哲生(産業医学担当)
○6月11日(水)13:30~15:30
「体験的事例から学ぶもの
(メンタルヘルス不調者との復職までの係わり方)
濱 幸男(カウンセリング担当)
○6月18日(水)14:00~16:00
「中高年労働者の健康管理」
田口 喜一郎(産業医学担当)
*会 場 松本(ホテルモンターニュ松本)
○6月20日(金)13:30~15:30
「食生活に関する効果的な保健指導の方法について」
平野 澄子(栄養指導担当)
○6月24日(火)13:30~16:00
「過重労働による健康障害防止対策」
小澤 茂穂(労働衛生工学担当)
○6月26日(木)13:30~16:30
「職場の対人関係とメンタルヘルス」
小川 憲治(小川臨床心理士事務所代表)
* 会場の表示がないところは、当センターの研修室で開催します。
* 詳しくは、http://www.nagano-sanpo.jp/seminer/index.html
をご覧下さい。ホームページからも研修会の申込ができます。
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■ 他の機関等が開催する研修会等のお知らせ
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○ 衛生管理者等長野地区出張特別試験と受験準備講習については
長野県労働基準協会連合会又は最寄りの地区労働基準協会へご照会
ください。
→ http://www.naganoroukiren.or.jp/h20_list.html
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〇 北信健康フォーラム 「あなたの笑顔が見たいから」
平成20年6月7日(土)14:00~16:00(13:30開場)
場 所 県民文化会館小ホール 長野市若里1-1-3
* お問い合わせ先
ファイザー株式会社「北信健康フォーラム」事務局あて
TEL026(225)0581(土・日・祝を除く9:00 ~ 17:00)
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■ センターからのお知らせ
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◎ 産業保健Q&A
産業保健Q&Aは、各産業保健推進センターにこれまでよせられた相
談内容のうち、よくある質問への回答をまとめたものです。
→ http://wsys.rofuku.go.jp/sanpo/qa/index_pub
◎ 相談員の担当分野、勤務体制のご案内
→ http://www.nagano-sanpo.jp/counsult/index.html
◎ 地域産業保健センターのご案内
地域産業保健センターは、労働基準監督署の管轄区域ごとに1箇
所ずつ設置され、産業医選任義務のない従業員50人未満の職場の事業
者や従業員の皆様に対して、医師・保健師などが健康相談や保健指導
のサービスなどを無料で行なっております。
→ http://www.nagano-sanpo.jp/area/index.html
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■ その他
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◎ 雑 文
不機嫌な職場 なぜ社員同士は協力できないのか(高橋克徳+河合
大介+永田稔+渡部幹 講談社現代新書 2008年1月)
これは、産業保健とは直接関係のない経営コンサルタントなどが書いた
ものですが「協力しない」職場の問題点を示し、協力関係を阻害する「構
造的要因」を分析し、協力し合える組織をつくる方法、協力への第一歩の
踏み出し方を示しています。これらを参考にして、「楽しい労働衛生管理」
をめざした労働衛生・産業保健管理組織を考えてみました。
(1)ある産業保健スタッフの気持
〇労働衛生管理活動がもっと楽しければ、活気に満ちた日々が送れる。
〇健康指導は、働く人や会社のためになると思いがんばっているのに、
反応が薄い。
〇みんなが働きやすくなるように、熱意をこめて提案しているのに反応
がない。或いは、冷ややかな反応ばかり返ってくる。
〇他の部署に何度も依頼しているのに、誰もきちんと対応してくれない。
〇いつも一方的な指示を出してきて、対応できない状況なのに責任を
追及されるというような状況では、産業保健関係者の協力・連携は望めな
い。
(2)現状
過重労働により精神的体力的に追い込まれて、長期間休業しなければ
ならなくなる人が出た場合、こうした問題を本人の心の問題、体の問題と
して、人事担当者、産業医やカウンセラーにその解決を任せるだけにな
っている企業が多い。組織マネジメントの問題、組織全体でつくりだしてい
る風土、価値観や行動原理の問題であるとの認識が事業者(経営トップ)
にない。
問題の解決を組織的に図るためには、社内のマネジメント、職場のコミ
ュニケーション、働く人に対する基本的な考え方に原因がないかを探り出
す必要があるが、その役目を担う人たちにも同じような問題がある場合が
多くなっています。
各人の仕事が細分化されお互いに無関心になり、協力し合えない関係
になれば成果を出すために必要な連携や支援を、周囲や上司、他部門
から受けることは難しくなり、労働衛生管理活動のモチベーションや活力
は高まらないのではないでしょうか。
(3)「協力し合えない状況」の弊害
ア 生産性や創造性の低下(衛生管理者等の活動、安全衛生委員会の
審議等)
協力し合えばスピーデイーに判断・行動できたことができない。相談した
リ調整することで不愉快な思いをするくらいなら、人には頼まない。ちょっ
と聞けば教えてもらえることも聞かずに、一から自分で調べ出す。過去の
蓄積を活用すればよいものも、一から作り直す。自分の限られた経験の
中だけで判断しようとする。
お互いの知恵を出し合って問題を解決したり、新たな取り組みを生み出
すことが困難となっているような気がします。組織全体の生産性、効率性、
創造性を考えると、労働衛生管理の分野でもお互いがいつでも知恵を出
し合い、協力し合える環境が必要であると思います。
イ 企業リスクの増大(民事損害賠償等)
お互いに仕事を押し付けあっていて、空白地帯ができてしまう。問題を
感じていても、お互いに踏む込んで指摘しない。その結果、企業にとって
致命的ともいえる問題が発生する。
これを担当者の管理が足りないという問題で片付けても何も解決しませ
ん。自分の役割に閉じこもり、お互いの仕事に関心を持たず、おかしいと
思っても踏み込んでいくことができない企業では、気づかない間に、深刻
な問題が社内に広まってしまっている可能性があります。
リスクを減らしていくために、ルールを決めて、各人が守るだけではリス
クを減らすことにはならないようです。みんなで一つひとつの事例を通じ
て、考え、行動していくという状態をつくりだすことが必要となっています。
(4)協力関係の再構築(その1「役割構造」)
責任範囲を曖味にし、人の能力や実態に合わせ、責任範囲を伸び縮
みさせる方法で組織を運営している場合が多いと思いますが、メリットもあ
りますが仕事の過度の「属人化」はデメリットも併せ持ちます。経営トップか
ら「見えない」、新たな方針に基づいて対応も変化すべきなのに「変わら
ない」、関係者に伝えるべき内容も「伝わらない」という問題を引き起こす
場合があります。
共通目標・価値観の「共有化」が必要であり、これにより誰と協力しなけ
ればならないのかというメッセージが伝わります。「年に一度、社長が方針
説明をするだけ」、「立派な冊子はつくったが配布するだけ」という場合が
多く、組織全体で共通目標・価値観を「共有化」するための工夫に取組む
ことが大切です。
組織は、提案や参加に対して「壁をつくる発言」を許してはならないと思
います。
見逃せば「自分もそうしていいのだ」と学習をしてしまいます。また、発言
や提案を「まじめに取り上げる」ようにすることも重要です。
(5)協力関係の再構築(その2「評判情報」)
組織力とは「個人の力」と「個人間のつながり」との掛け算となるそうです。
「個人間のつながり」を強める発想が重要となっています。
人は、知っている人には協力したいと思うものであり、お互いの「人となり」
を知れば知るほど、協力関係は生まれやすく、評判情報が共有されること
により、協力行動をとった方がよいという判断も働きます。他の部署の人と
知り合うことにより、企業全体の情報を持ちながら、自分の仕事を調整し
ていくなどの全体最適化が自然になされることになります。
何か悩んでいるときに「あの人に聞けばいい」というような情報は極めて
入手が困難になっているなか、社内外のインフォーマル活動の見直しが
求められています。
(6)協力関係の再構築(その3「インセンテイブー動機づけ施策」)
協力行動も、何らかの動機づけが働いています。自分のためにならな
い業務には行動を起こさなくなってきているような状況では「求められて
いない」協力行動を望むことはできません。
労働衛生管理体制の形骸化の原因は、企業が「協力し合える組織」で
はなくなりつつあるのではないかという危惧があります。労働衛生管理、
社員の健康管理のために協力し合い、知恵が知恵を生み、思いが思い
を生むということは本当に楽しいことであると思います。不機嫌な職場は、
個人にとっても大きなリスクであり、みんなが「仕事が面白い、職場が楽し
い、会社が好きだ」と思えるように、前に進んでいけたらよいと考えました。
松本労働基準監督署署長 宮崎 雄(前副所長)
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◎ 次回は、6月2日(月)に発信予定です。
◎ 新しい部署に異動された方、後任者の方で新しくメールアドレスを取
得された時は登録又は変更をお願いします。
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◎ メールマガジンの発行は月1回(原則として毎月1日)です。
研修会の開催案内、図書・ビデオ等の新着教材の紹介等の他、産業保
健に役立つ情報をお届けしています。これらは、ホームページや情報誌
等で詳細を確認できるものですが、定期的なチェックの機会として、ご利
用下さい。
◎ 編集内容に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
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