◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆ 信州さんぽメールマガジン ◆ 第171号 2020年2月10日発行 ◆ 長野産業保健総合支援センター ◆◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆ 新型コロナウイルスについて、世界保健機構(WHO)において「国際的な公衆衛生上の緊急事態」が宣言され、今後、感染症のさらなる拡大防止に努める必要が出てきました。 職場における感染予防に関する相談等については、厚生労働省の専用相談窓口をご利用ください。 (厚生労働省の電話相談窓口、Q&A等)→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html (長野県の専用相談電話等)→ https://www.pref.nagano.lg.jp/hoken-shippei/kenko/kenko/kansensho/joho/bukan-haien.html また、連載コラム「治療と仕事の両立支援」は、今回(11回目)で最終となります。これまでご覧いただき、誠にありがとうございました。 なお、第1回~第11回のコラムを「両立支援読本」として冊子にまとめ、新年度から配布する予定ですので(無料)、ご入用の方はセンターまでお問い合わせください。 -+-+-目 次-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆連載コラム「治療と仕事の両立支援」第11回(最終回) NEW (2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日)NEW ◆2月、3月の研修会のお知らせ NEW ◆台風19号による被害に関する情報(再掲) ◆関係機関情報 NEW ◆お知らせ NEW -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆連載コラム「治療と仕事の両立支援」第11回(最終回) NEW (2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日) -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- 治療と仕事の両立支援(その11) 今回は「特殊な場合の対応」について考えます。 がんに限らず、病気の治療後の経過が良くなく病状が悪化したり、障害が残ったり、疾病が再発したりすることも決して珍しくありません。こうした場合の対応について記載されています。 (1)治療後の経過が悪い場合の対応 治療後の経過が悪く、病状の悪化によって仕事をすることができなくなり、治療と仕事の両立が困難となる場合もあります。その場合の対応としては、労働者の意向を確認した上で、主治医や産業医等医師の意見を求めて、就業継続の可否を判断することとなります。主治医や産業医等の医師が、仕事をすることによって病勢が著しく増悪する恐れがあり、仕事を続けることは困難であると判断した場合は、労働安全衛生法第68条の規程に基づいて、事業者は就業禁止の措置をとらざるを得ません。 (2)障害が残る場合の対応 がんの場合には、治療の副作用がつらかったり、がんそのものによって生ずる局所の障害など身体的機能の障害や全身の衰弱等により障害が残ることもあります。その場合には作業転換等の措置が必要となる事もありますので、主治医や産業医等の医師の意見を求めて、その意見を勘案して、労働者と十分な話合いを通じて労働者本人の了解を得られるよう努めた上で、新たな就業上の措置を決定して実施することとなります。 状況によっては、期間の限定なく就業上の措置を継続する必要となる場合もあります。その場合は、人事労務担当者や、所属長・上司・同僚等の理解、協力がより重要となりますし、就業上の措置の実施状況の定期的かつ着実な確認をして状況の変化に応じた対応を改めて考えることもあります。 作業転換等の措置は、労働契約の改変となりますので労働契約内容の理解を深めることは不可欠であり、労働者とは書面で確認しておくことが必要です。 また、短時間勤務や軽作業に変更せざるを得ない等の作業転換等によって、収入が治療前より減少することも想定されます。障害厚生年金は一定の障害状況があれば、就労を継続しながらでも受給できる可能性がありますので、この制度の利用についても検討して頂きたいと思います。 (3)疾病が再発した場合の対応 がんの場合には、再発・転移も決して珍しくありません。その場合、労働者(患者)は自分の今後の人生についての優先度を考える場面も想定されます。この場合の対応としては、なんと言っても労働者本人の意向を確認することであり、症状の進行や治療経過に応じて改めて就労に関しては柔軟にかつ慎重に検討する必要があると思います。また状況によっては家族とも連携をとって対処する必要が生じるとも考えられます。 一般的に、がんの再発・転移をした場合は完全に治るということは極めてまれであるとも言われていますので、労働者本人が就労を希望しても事業者には、「安全配慮義務」がありますので、就労継続ができずに退職ということもあり得ます。事業者は、治療と仕事の両立支援を行うに当たってはこうしたことも念頭に置いて、再発した際には状況に応じて改めて検討することが大変重要となります。 最後になりますが、治療と仕事を両立させる上で気をつけることについては、ガイドラインの[3]に“両立支援を行うに当たっての留意事項”として記載されていますが、改めて視点を変えて考えますと、労働者(患者)は、自分の病気の治療により業務上どのような支障が出て、どのような援助が必要になるのか周囲に伝えて理解を得る必要があり、治療前よりできない事はあるものの、できる範囲で仕事に取り組むという姿勢も、周囲の理解を得ることとなるのではないかと考えますし、職場では、日頃から上司や同僚とのコミュニケーションが取れて風通しのよい職場、症状に応じて業務の調整ができる等の「お互い様」という職場風土をつくっておく必要があると思います。 更に会社としては、治療に使える休暇制度や休職制度、あるいは短時間勤務制度等の柔軟な勤務制度を整えて、従業員に周知し、実際に利用できるようにしておく事が重要だと考えます。 また、個別の支援が必要となった場合は、労働者(患者)の意向を確認して、医学的見地からは主治医や産業医等の医師の意見を聴取し、会社ができることとできないことを整理し、できないことについても検討の余地はないかを考えて、可能な限りの就労継続の対応をしていただきたいと思います。 昨年4月から「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(平成28年2月厚生労働省公表)に基づいて連載をして参りましたが、今回を持って終了とさせていただきます。ありがとうございました。 ★「治療と仕事の両立支援」について → https://www.research.johas.go.jp/22_ryoritsu/index.html ★「メディカルノート」における両立支援特集ページについて → https://medicalnote.jp/features/johas ◎2月の治療と仕事の両立支援相談窓口の開設日 NEW (1)長野産業保健総合支援センターにおける相談 ・対象者:事業者、労働者(患者)及びその家族、医療機関 ・日時:2月13日(木)、18日(火)、20日(木)、21日(金)、25日(火)、27日(木)、28日(金)、3月3日(火)、5日(木)、6日(金)いずれも13:00~16:00まで ・相談方法:電話・面接相談(電話予約を優先します) ・申込先 :長野産業保健総合支援センター 026-225-8533 (2)医療機関における出張相談 ・対象者:事業者、労働者(患者)及びその家族 1)信州大学医学部付属病院における出張相談 ・日時:2月20日(木)(3月5日(木))13:30~(毎月第1、第3木曜日) ・申込先:信州大学医学部付属病院 医療福祉支援センター・がん相談支援センター (完全予約制です) 0263-37-3045 2)長野市民病院における出張相談 ・日時:2月15日(土) 9:30~12:30 ・申込先:長野市民病院 がん相談支援センター (完全予約制です) 026-295-1292 3)伊那中央病院における出張相談 ・日時:随時 ・申込先:伊那中央病院 がん相談支援センター (完全予約制です) 0265-72-3121 4)長野赤十字病院における出張相談 ・日時:随時 ・申込先:長野赤十字病院 がん相談支援センター (完全予約制です) 026-217-0558 5)佐久総合病院における出張相談 ・日時:随時 ・申込先:1]佐久総合病院佐久医療センター がん相談支援センター (完全予約制です) 0267-88-7184 2]佐久総合病院 総合相談センター (完全予約制です) 0267-82-3131 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産業保健研修会の受講を申し込まれても受講されない方が見受けられます。研修によってはキャンセル待ちの場合もあり他の方に迷惑を及ぼしています。つきましては、以下のようにさせていただきますので、ご了承ください。 ●欠席される場合は、必ず当センターに電話・メール等でご連絡ください。 ●欠席が目立つ方は、ご連絡をさせていただき受講をお断りする場合があります。 ●お申し込みの際は日程に余裕をもってお申し込みください。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆台風19号による被害に関する情報(再掲) -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ★台風19号等の被災者のための専用電話相談窓口(通話無料) → (1)メンタルヘルスに関する相談フリーダイヤル【0120-012-684】平日10時~17時(土日祝日除く) → (2)健康に関する相談フリーダイヤル【0120-361-437】月・水・金13時~17時(祝日除く) (以下については、長野労働局へ直接お問い合わせ下さい。) ★ 令和元年台風第19号について → https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/typhoon19_2019.10.html -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆関係機関情報 NEW -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- (なお、詳細についてお知りになりたい場合は、各機関へ直接お問い合わせ下さい。) ★「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱」の諮問と答申(厚生労働省) → https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09081.html ★「第2回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」(厚生労働省) → https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09157.html ★「令和元年度職場のメンタルヘルスシンポジウム~相談しやすい職場環境づくりのポイント~」を2月に開催します(厚生労働省) → https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08955.html -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆お知らせ NEW -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆◇◆労災疾病等医学研究普及サイトのご案内◆◇◆ ●労災疾病普及サイト → https://www.research.johas.go.jp/index.html 〇「外傷性高次脳機能障害」について → https://www.research.johas.go.jp/koujinou/thema01.html 〇「職業性呼吸器疾患」について → https://www.research.johas.go.jp/22_jinpai/ → https://www.research.johas.go.jp/booklet/report.html → https://www.research.johas.go.jp/jinpai2018/index.html ◆◇◆センターから◆◇◆ ●長野産業保健総合支援センターの移転について 当センターは、長野市中御所一丁目16-11鈴正ビル2階に移転しました。 → https://goo.gl/maps/AqBVbYbZfRY5Yftr6 ●情報誌『産業保健21』をお届けします。 『産業保健21』は、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人労働者健康安全機構が年4回発行している情報誌です。 送付をご希望の方は、当センターまでお問い合わせ下さい。 費用等は無料です。 → http://www.naganos.johas.go.jp/uploads/2018/03/mousikomi.pdf -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ◆ 編集後記 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- 新型コロナウイルス感染への不安が広まっておりますが、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様、お一人お一人が咳エチケットや手洗いなどを行っていただくとともに、咳や発熱等がある場合には、マスクの着用をし、感染症対策に努めていただくようよろしくお願いいたします。 現在、令和2年度上半期の産業保健研修会の計画を作成中です。健康管理、化学物質対策、メンタルヘルス、働き方改革、産業医活用、ハラスメント防止、BCPなど、実務に役立つ研修を企画・開催してまいりますので、研修会への積極的なご参加をお待ちしております。 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- ★メールマガジンは月1回発行しています。 ★編集内容に関するご意見・ご感想をお聞かせ下さい。 ★メールアドレスの変更、配信停止の手続きはE-mailまたは当センターあてにお願いします。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃発 行 者 ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃ 独立行政法人労働者健康安全機構 長野産業保健総合支援センター ┃ 〒380-0935 長野市中御所1-16-11 鈴正ビル2階 ┃─┌──┐ TEL:026-225-8533/Fax:026-225-8535 ┃─│\/│ URL http://www.naganos.johas.go.jp/ ┃─└──┘ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
