「人生100年」といわれる時代を迎え、2022年時点で、雇用者全体に占める60歳以上の割合は20%近くに達しつつあります。それにつれて職場での高年齢者の労働災害が増え、同年の労働災害による休業4日以上の死傷者数約13万5,000人の30%弱を、60歳以上が占める状況になっています。
 本特集では、「高年齢者の労働災害増加」という新しい社会課題に対応するため、厚生労働省が2020年に策定し、高年齢者を雇用する企業に周知を図ってきた「エイジフレンドリーガイドライン」について、その内容と企業による取り組み事例を紹介するとともに、高年齢者の労働災害のなかで特に多い「転倒→骨折」の大きな要因となる「骨粗しょう症」対策も取り上げます。